GiN's アイリッシュ・ダンスの小話

~レッツ・アイリッシュ・トラディショナル・ダンシング~

CD Musica Sveciae - Folk Music In Sweden

Musica Sveciae - Folk Music In Sweden

Caprice Records  1995-99

 

01-02!: Den Medeltida Balladen (The Medieval Ballad)
03: Varjehanda Folkmusik (Traditional Folk Music)
04: Bengt-Arne Wallin, Jan Johansson, Georg Riedel & Bengt Hallberg / Äventyr I Jazz Och Folkmusik
05: Låtar Från Orsa Och Älvdalen
06: Vaggvisor & Ramsor
07: Munspel & Handklaver (Harmonica & Accordion)
08: Lockrop & Vallåtar (Ancient Swedish Pastoral Music)
09-10: Lena Larsson, Ulrika Lindholm, Svea Jansson
11: Spelmän Från Fem Landska
12: Sjungande Tornedalen / Laulava Tornionlaakso
13: Prillarhorn & Knaverharp
14: Vall- trall- & Lapp-Nils Låtar
15: Sjömansvisor & Rallarvisor
16-17: Låtar från Rättvik, Boda & Bingsjö
18: Låtar Från Dala-Floda, Enviken & Ore
19: Blod, Lik & Tårar
20: Visor & Låtar Från Bohuslän
21-23: Jojk
24: Koraler & Bröllopsmusik Från Runö
25: Folkmusik I Förvandling
26-28: Äldre Svenska Spelmän: Fonografcylindrar Inspelade 1913-1920
(Swedish Fiddlers From The Past: Phonograph Cylinders Recorded 1913-1920)

Den Medeltida Balladen = The Medieval Ballad (CD, Compilation, Remastered) アルバムカバー      Låtar från Rättvik, Boda & Bingsjö (CD) アルバムカバー

左:vol. 01-02 Den Medeltida Balladen (The Medieval Ballad)

右:vol. 16-17 Låtar från Rättvik, Boda & Bingsjö

 

CD Norsk Folkemusikk

Norsk Folkemusikk 1-10

レーベル: Grappa – GRCD 4099-10
10 × CD, Compilation Box Set

Vol. 1. Dei fyrste åra på radio =​ Early years on the radio
vol. 2. Folkemusikk frå Agder =​ Folk music from Agder
vol. 3. Folkemusikk frå Hedmark =​ Folk music from Hedmark
vol. 4. Folkemusikk frå Buskerud =​ Folk music from Buskerud
vol. 5. Folkemusikk frå Oppland =​ Folk music from Oppland
vol. 6. Folkemusikk frå Telemark =​ Folk music from Telemark
vol. 7. Folkemusikk frå Rogaland og Hordaland =​ Folk music from Rogaland og Hordaland
vol. 8. Folkemusikk frå Sogn og Fjordane, Møre og Romsdal =​ Folk music from Sogn og Fjordane and Møre og Romsdal
vol. 9. Folkemusikk frå Trøndelag =​ Folk music from Trøndelag
vol. 10. Folkemusikk frå Nord-Noreg og Sameland =​ Folk music from Northern Norway and Sameland.

 

The Garden of Daisies(セットダンス)

 圧倒的多数のモダンスタイルの動画に隠れていた The Garden of Daisies の数少ないトラディショナル・スタイルの動画の一つを発掘しました。1993年の映像らしいですが、踊っているのは Peg McTeggart (1924~2011)彼女の事はこれで初めて知りましたが、コーク県(Co. Cork)出身、アイリッシュ・ダンス界に多大な貢献をした方だそうです

 こちらはDVDでもお世話になっているアメリカの Kieran Jordan 先生と Jackie O'Riley さんの2017年のボストンでの映像。Freddie Murray (1884-1948) のバージョンとあるが、ダンサーごとに微妙に違っているのが面白いです。ダンス・マスター達については別の機会にまとめたいですね。

 今回の探索は大漁で、もう一つ。フランスのアイリッシュダンス・ファンと思しき人の動画を発見。Margaret Wray, Padraig O'Dea の2人に習ったそう。W.C.サマースクールへ通ってるのかな。僕の覚えている (Padraig~OT師匠~) のとはステップ部のヒールキックがインサイドからくるっと蹴っていたり、セット部のダブルドラムが微妙に異なっている。動きからするとモダンをやっている人かもしれませんね。使われている曲は Seán Maguire の演奏。Padraig が好きだと言っていた記憶があります。

 

 さて、モダンスタイルの動画以上に多いのが、テンポ表示の付いたダンスの伴奏用に録音された曲の動画。モダン用の演奏ではセット部が一度しか演奏されないことが多いので特に聞いておくこともないと思います。


 セットダンスの曲は、背景に詩や歌や物語と繋がりが深いものが多く、以前に書いたとおり「Daisies」もヒナギクではなく「Deise」が変化したもの(という説)。またこの歌とルーツが同じだったりする曲も少なからずあります。その中でも Parson’s Hat というグループのハーパーだった女性 Brid Ni Chathain
の愛蘭語の歌がとても良いので、最後にくっつけておきます。The Palatine’s Daughter。

www.youtube.com

 


2020年のセント・パトリックス・デイ

 3月17日はアイルランドキリスト教を広めた聖パトリックの命日。アイルランド共和国カトリックの祝祭日で、世界中でシャムロックや緑色のモノを身に付けたアイルランド人とアイルランド・ファンの人々がパレードをしたりお祝いをしたりする日です。

 3月に入ると日本でも各地でこの日をお祝いするイベントが開かれます。

「st. patrick's day free illustration」の画像検索結果

 ところが今年は一部を除いて軒並み中止に追い込まれてしまいました。

 この日を楽しみにしていたダンサー、ミュージシャン始め、主催者、ボランティアの方々の失望感や悲しみは幾ばくか。。その場に赴いてアイルランド音楽とダンスを共有し、一緒になって楽しむ充実感は、部屋に閉じ籠ってネットやCDで音楽を楽しむことの何十倍も何百倍もあるのです。

 

 そんな中で”いつも演奏をしてくれるミュージシャンに「ありがとう」を伝えよう”という意図の下、まだ誰もやったことのない企画がスタートしました。発案者の想いが詰まった note をご覧ください。

 

アイルランド音楽の録音・録画・ライブ配信の価値を示す」

note.com

Set Dancing #0.5 Borin (Valley) Polka Set (Co. Cork)

Borin (Valley) Polka Set~ボーリン・ポルカ・セット~を踊りましょう。

 

 アイルランド南部のコーク県は、北のドニゴール、西のクレアと並んで音楽やダンスの伝統がしっかりと受け継がれてきた地域です。リールやジグよりもポルカ、スライドといった軽快なチューンが好まれているのが特徴です。

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 ポルカが3つ、スライド1つ、ホーンパイプ1つの全部で5つのフィガー構成。他のポルカ・セット同様ボディ (Quaterhouse) が全編を通して出て来ますが、<jump - kick - 123->で活き活きと弾みをつけて踊らなくてはなりません。続けてハウスの後のスクエアもそのままの勢いで踊りたい所ですが、くれぐれも姿勢を崩さないようにしましょう。 

Jump! Kick!

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 最後のホーンパイプは元々ホッと一息つける熱さましのフィガーだったようですが、競技会用にダブルで勢いよく回るフィガー(The Barndance)と入れ替えられたそうです。もちろん両方覚えて踊る方が楽しいと思いますよ。(^_^)/







 

Set Dancing #9 Claddagh Set (Co. Galway)

Claddagh Set~クラダ・セット~を踊りましょう。

 

 このセットはコネマラ (Connemara / Conamara) 地方の Claddagh (クラダ) で踊られていたセット。2004年のワークショップで広まったものです。

コネマラはゴールウェイ~メイヨーの自然公園を持つ山地・湖の多い地域で、アイルランドの中でも最も強く伝統的なものを受け継いでいる地域です。

 

 このセットには他のセットにない独特の構成があったり、フィガーの出だしが全て異なっている点など複雑に見えますが、踊ってみると実は短く感じるほど。連続した動きを意識して踊り、とても美しい流れに惚れ惚れして欲しいセットです。

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Claddagh Ring (クラダ・リング) アイルランド伝統的工芸品。はめる指と向きによって「恋人募集中」を表すそうです。“Let Love and Friendship Reign.”(愛と友情に支配させよ)にちなみ、両手で囲まれ王冠が載ったハートというデザインが基本。ハートは「愛」、両手は「友情」、王冠は「忠誠」を表すとされる。 (Wikipedia

 

Set Dancing #8 Cashel Set (Co. Tipperary)

Cashel (Castle) Set~カシェル (キャッスル)・セット~を踊りましょう。

 

 緑の丘にケルト十字の墓標に囲まれてぽつんと立つ灰色の廃墟~The Rock of Cashel という遺跡で有名な観光地、カシェルは中南部ティペラリー県の5000人足らずが住む小さな町です。その歴史は古く5世紀頃の城塞都市が聖パトリックの布教の時に寄進され、12世紀以降に聖地となった所です。その後、英国との宗教対立の波に翻弄され荒廃し、19世紀になって史跡として保存されることになりました。興味のある人はインターネット検索してみて下さい。

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大聖堂とケルト十字の遺跡

 「地域名+セット」と考えれば Cashel Set ですが、広く踊られるようになって Castle Set と呼ばれる定番セットの一つになりました。スライド&ポルカ系の全編キレの良い楽しいセットです。

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