Set Dancing #7 Moycullen Set (Co. Galway)
Moycullen Set~モイカレン・セット~を踊りましょう。(Co. Galway)
ゴールウェイのローカルなダンスだったこのセットは、1970年代初めに競技会用のセットとして広く知られましたが、競技会の流行が去ると人気が衰えました。2006年になって、Moycullen のダンス教師 Marie Philbin が地元のダンサーの要望によって復活させたセットだそうです。(Pat Murphy)
競技会で流行したセットだけあって、流れや見せ場のポイントがしっかりできていて、踊る側が気持ちが良いだけでなく見る人も楽しませることができます。
一つのフィガー内で前半・後半に2種類の際立った構成があるのは Galway のセットの特徴のひとつで、一粒で二度おいしい(古い?)セットです。また、コーナー・カップルとのスクエアやド・シ・ド (do-si-do = back to back) などパートナー以外との絡みも「より社交的な」セットです。
Sweetheart Hold でリードアラウンド。
※フォーメーションやタイミングを揃えるよう意識して、踊れるようになりましょう。忘れられがちですが、踊り手全員が動き安くなるよう配慮するのも「社交」ダンスの条件です。音楽をよく聞き、自分の動きをコントロールしましょう。
Set Dancing #6 Ballyvourney Jig Set (Co. Cork)
Ballyvourney Jig Set~バリヴォーニー・ジグ・セット~を踊りましょう。
ダンサーが踊れる環境下にある時、「何か踊る?」と誰かが口にした途端「ばりぼにっ!」という声があちこちから湧いて出る。。。これはジョークでもオーバーな表現でもありません。人気投票でトップという訳ではないにも拘らず、熱狂的に押して来る(笑)、それくらいこのセットを好きな人がいっぱいいるのです。その理由は、、一度踊ってみればわかります。(^_^)/
アイルランド語で “The Town Beloved” を意味するBaile Bhúirne (or Baile Mhúirne) は、コークから西へ50kmほど離れたゲールタハト(アイルランド語を公用語とする地域)の町。町中を流れる川の名にちなんで「サレーン・セット(Sullane Set/Seit An tSuláin)」とも呼ばれます。
このセットはスライドのリズムの5つのフィガーで構成されているのですが、「全部のフィガーをノンストップで踊る」という最大の特徴を持っています。最初の内は顔が青ざめる初心者の皆さんも、いつのまにか泥沼にはまって抜け出せなくなっています。
本来のローカルなスタイルはSéamus de Róiste and the Ballyvourney Set Dancers によるRTEのTV放送を収録した “Pure Drop” やDVD “Come West Along The Road volume 1” などで見ることができます。
Set Dancing #5 Antrim Square Set
Antrim Square Set~アントリム・スクエア・セット~を踊りましょう。
北アイルランドのアントリム県(Co. Antrim)出身オーストラリア在住のダンサー、デス・ジャクスン(Des Jackson)氏によって2003年に創られた新しいセット・ダンスです。近年に創られたセットの中でもおそらくダントツの人気を得たセットです。あっと言う間に流行して定番としての地位を得ました。
全員で「田」の字の形のラインの上を動き回る“Big Square”が最大の特徴で、これが人気の要因でしょう。フィガーはリール/ジグ/スライドの3つだけで、異なるリズム全てで“Big Square”が楽しめます。
※対面して男女が手を合わせてから離れるところは「そっと押す」そうです(Not Hightouch)。
余談ですが、アメリカのスクエア・ダンスにも同じ動きを取り入れたものがあります。興味のある人は探して見て下さい。
Set Dancing #4 Merchant Set
Merchant Set~マーチャント・セット~を踊りましょう。
おしどりダンス講師 Pádraig & Róisín McEneany (ポードリク&ロシーン・マッケネニー) 夫妻の創作による人気のセット。セット名はダブリンにある O'Shea's Merchant という名物パブにちなんだものです。
各カップルが同じ動作を繰り返すだけで、複雑な絡みがないので初心者にも踊り易いセットです。全体の動作をスムーズに揃えると「リーディング・カップルが1st.TOP の位置に常にいる」というこのセット独特の構成を楽しめ、よりキレイな一体感が味わえます。
Pádraig & Róisín
Pádraig & Róisín Demonstration O’Shea’s Merchant Pub on Bridge Street in Dublin
Set Dancing #3 Sliabh Luachra Set (Co. Kerry, Cork, Limerick)
Sliabh Luachra Set~シュリーヴ・ルークラ・セット~を踊りましょう。
アイルランドの音楽やダンスには、日本と同じように地域によって演奏法や好まれるリズムや曲に違いがあります。シュリーヴ・ルークラはアイルランド南西部(マンスター地方)のコーク、ケリー、リムリックの3県に跨る高地エリアで、ポルカやスライドが好まれよく演奏されています。
下の写真で横縞ベストの男性は Timmy “The Brit” McCarthy と言って、1970年代からずっとシュリーヴ・ルークラ地方の伝統を学び、掘り起こし、教え、復興する役割を担って来た「コークの顔」と呼ばれる凄い人です。このセットは彼がセット・ダンスに目覚めた最初のセットだそうですが、そんな知識とは関係なくアイルランド南部を代表するセットとして根強い人気のあるセットです。
Timmy McCarthy
この地方独特のボディ或いはポルカ(Polka-Body / Quaterhouse)と呼ばれる16小節の動きが基調になっていて、ある意味すごく単純なセットです。その分豪快に踊ることで楽しむ人もいるのですが、8人の息を合わせて滑らかに踊ると、ポルカやスライドの素晴らしいノリが感じられて味わいも一層深まります。
Set Dancing #2 Clare Lancers Set (Co. Clare)
Clare Lancers Set~クレア・ランサーズ・セット~を踊りましょう。
アイルランドの町や地域の名前のついた「○○ランサーズ」という名のセットが各地にあります。それぞれ特徴のある面白いセットなのですが、ほとんどに一つの共通した隊形が現れます。2カップルずつ横一列に向き合って踊る動作(下の写真)ですが、これは「ランサーズ(槍騎兵)」と呼ばれる古いフランスの宮廷舞踏の名残りです。
中でも「ダイナミックで盛り上がり必至な展開や大きな図形を描く動作のある」Crusheen Lancersと呼ばれていたセットの人気が出て、「一つだけ踊るならクレアのランサーズ」という人もいる程の定番になりました。Crusheenはクレア県の真ん中にある町です。
セット・ダンスの伝道師 Pat Murphy は「It should be danced in a light style, without jumping or battering.~跳んだり跳ねたり連打したりせず、軽快に踊るべきセットなんだ。」と書き、セット・ダンスの広報官 Bill Lynch は「The set should be danced with the Clare-style reel step and should not be battered.~このセットはクレア・スタイルのリール・ステップで踊るものなんだよ。バタリングなんかせずにね。」と注釈を入れているように、スムーズ・ステップで軽やかに踊る方が気持ちが良いセットです。
Set Dancing #1 Plain Reel Set (Co. Clare)
Clare Plain Reel Set~クレア・プレーン・セット~を踊りましょう。
セット・ダンシング・リバイバルの頃からずっと人気No.1。世界のどのケーリーへ行っても必ずと言ってよいほど踊られる『西クレアのリール・セット』です。数ある「○○プレーン・セット」の中でも、単にプレーン・セットと言えば100%このセットのことです。
難易度は中の上ですが、それぞれの味わいで組み合わさった基本的な動作が自然で飽きがこない、ビギナーが必ず覚えるセットです。
Connie Ryan
全部で6つのフィガーで1セットです。リールのフィガーを4つ踊り、5番目にジグのフィガー、リールで最後を締めます。