Gay Gordons と Chapellois ~ あるフォーク・ダンスの旅(5)
Chapellois は Gay Gordons と呼ばれるのことがあるのに、逆に Gay Gordons が Chapelloisと呼ばれることがないのは何故なのか。その答えは Chapellois が GGから生まれたということに尽きると思われます。
"La Chapelloise"はフランス東部の村、Chapelle-des-Boisに由来する。伝聞によると André Dufresne が1970年代にワークショップを行った村の名前による。(Wikipedia)
このダンスがフランスにもたらされたのは1930年代、イギリスの Alick-Maud Pledge というダンス教師によるものだとされています。おそらくGG(から派生したバリエーション)が伝わり、伴奏音楽もマーチからフランス風の6/8拍子のテンポの速いものに変わり、40年目にして踊り方と名前が確定され拡散して定着したのではないでしょうか。(民族音楽のリバイバルやワールド・ミュージックの流行とフォーク・ダンスの関係もいつか挑戦してみたいですね。)
一方 “Aleman's marsj”(アレマンの行進)というスウェーデンのダンスがオリジナルだという説もあるのですが、Wikipedia ではこの説への反論も読めます。
名前がノルウェー的であり、さらにダンス・スタイルがスウェーディッシュではないこと、さらにスカンディナヴィアでは“All American Promenade”という名でも知られていることなど。どちらもダンス自体は"Chapellois"と全く同じです。
とすると、このダンスはアメリカからノルウェー経由でスウェーデンに入って“Aleman's marsj”という名前になったと推察されます。名前の変化は「伴奏に使われる曲」に寄る所も大きいのではないかと思っているのですが、実際デンマークでは“All American Promenade”がスウェーデンの曲で踊られていたそうです。(Wikipedia)
次の動画はベルギーのもの。他にイスラエルやラテン系の国々(例えばポルトガル)で踊られているのを見つけました。ほとんどがウォーキング・スタイルです。
“All American Promenade”は1960年代にアメリカで振り付けられたという説もありますが、それ以前の Gay Gordons との関係も Wiki には具体的な年代のある記録が記されています。やはりGGが元なのです。
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