Gay Gordons と Chapellois ~ あるフォーク・ダンスの旅(4)
この考察を始めたのは、アイルランドのケーリーでセット・ダンスの合い間に Gay Gordons として踊られていたダンスが僕の知っているGGでなく、Chapellois だったというのがきっかけです。そのことをアイルランドのケーリーで踊っている先輩方が実体験として語っておられたのを目にしたことから、このよく似た二つのダンスの関係をまとめてみようと考えたのが始まりです。
僕が初めて見た Chapellois はあるフォーク・ダンスサークルのパーティ(アイルランドのケーリーのように何時間も次から次へ踊り続ける催し)だったと思います。このサークルはバルカン~ポーランドなど中欧・東欧のダンスに強くスコティッシュの系統のダンスは少数派。題名からフランスのダンスだとばかり思っていましたが、Gay Gordons によく似ていることには後になって気付きました。
彼ら自身は動画をオープンにはしていませんが、たまたまあったこの動画はそのサークルが Chapellois を練習している所でしょう。フランス人らしき人の指導の声が聞こえます。前半はアルマンド・ホールドをせず内側の手をつないでGGと全く同じウォーク。後半は「くっついて・離れて」女性が男性の前を顔合わせに回って位置交代。もう一度「くっついて・離れて」男性が背中側で女性をトワールさせて前へ、女性は時計回りに回って新しいパートナーと手をつなぐ。
小さな違いのようですが、後半の動きが(2)で紹介した Ceilidh バージョンでは「離れて・くっついて」を2回繰り返していて、実はステップそのものが別物です。
次にアイルランドで踊られている Chapellois を見てください。場所はクレア県キルフェノーラのパブ。小気味良いボックスによるジグでみんな楽しそうに踊っています。前半はウォーク、後半はジグ・ステップです。
www.youtube.com動画のタイトルは GG ではありません。では Gay Gordons と Chapellois は単に似ているだけの違うダンスで名前が混同されているのか、それとも同じダンスなのか探っていくことにします。
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